2014年8月12日火曜日

アケビ(木通)の実

昨日は、1日農作業で湯布院に行った。

湯布院の標高800mの高原の中。

小鳥や蝉の鳴き声の中で、沢を流れる涼しげな水音。
木陰に入ると、今までかいていた汗が引くほど涼しい。
木陰の中で上を見ると、アケビの実が有った。

僕が育った鹿児島では小さい頃、夏にとって食べていたのを思い出す。
久しぶりに見たアケビ。

漢方ではこのアケビの蔓を「木通」と言う生薬で使う。
水毒からくる痛みに使う生薬です。
アケビの蔓は水を通す。その爲に水毒の痛みを取る。単純な漢方の発想です。

漢方ではこの考えを「形象薬理学」と言っています。

「似たものが、似たものを治す」

赤い血腫は、赤い紅花で治し
黄疸は、黄色い黄連・黄ゴン・黄柏等で治します。

全然、科学的な発想では無いのに
化学的な薬理学で成分分析をすると、ちゃんとその治療成分が出てくる。

昔の人の「形象薬理学」の発想で選んだ物が、結果として現代の化学的分析で証明される。
不思議な昔の人の発想です。

2014年8月1日金曜日

1年半ぶりの嬉しいお電話

先日、1年半ぶりに患者さんからお電話をいただいた。

この患者さんは、23歳で第1子を出産。
その後、病院のホルモン治療を受けないと生理もなく、排卵もない状態が続いていた。

第2子の出産を望んでいるが、まず生理と排卵がある身体にしたいとの事で漢方相談に来られた。
生理が来ない状態が5年続き、28歳の時から漢方治療を開始した。

太陽堂で漢方治療を開始し、基礎体温上に少しづつ体温の上下が見られだした。
漢方治療を開始し、1年9ヵ月後、生理が来ました。

その後は順調に生理が来ていました。
それから7ヵ月後、患者さんからの連絡が途絶えてしまいました。

その患者さんからの1年半ぶりのお電話でした。

「その後、東京に引っ越し、忙しくて漢方薬も飲めなくなりました。しかし生理も順調になりました。
漢方薬を飲めなくなって、3ヵ月後に妊娠しました。
今は出産して5ヶ月の男の子です。
遅くなりましたが、お礼を言いたくて。ありがとうございました。」

とのお電話でした。

患者さんの喜ぶ顔・お声、嬉しいです。
この仕事の醍醐味です。




2014年7月21日月曜日

伊吹山の生薬

一昨日に続き伝統漢方研究会の研修で、昨日は滋賀県の伊吹山の山頂へ。
伊吹モグサで有名な伊吹山。
実はモグサだけでなく、生薬の宝庫の伊吹山。
当帰升麻トリカブト天南星独活・・・。様々な生薬を見ることが出来ました。
写真は野生の升麻です。

今日は、これから黄連の群生地に入ります。数年前にも行ったことのあるセリバ黄連の野生群生地。
楽しみです。

2014年7月19日土曜日

薬草園の見学

今日は伝統漢方研究会で薬草園の見学でした。
場所は京都薬科大学の薬草園です。
雨の中で黄ゴンの花が綺麗に咲いていました。

黄ゴンは、柴胡剤等の数多くの漢方薬に配合される重要生薬です。
以前に15年間程、僕も薬草園で講師をしていた経験がありますが、逆に他の先生の話を聞くのも楽しいでした、

2014年6月29日日曜日

ドライアイ

コンタクトをすると、直ぐに曇りコンタクトが出来ない患者さんがいた。
結膜炎と考え、漢方薬治療をした。
1ヵ月後、結膜炎は改善し、コンタクトをしても曇り難くなった。
コンタクトが出来ずに不便だった患者さんが楽になり、良かったです。

今日のブログはここからが本番。

この患者さんは、ドライアイもあり悩んでいらっしゃった。
驚くことに、同じアレルギーの漢方薬でドライアイも改善している。

糸練功でみても、涙腺部分の反応が明らかに改善している。

驚きです。
この患者さんの結膜炎に使用した漢方薬は、鼻炎やアトピー等のアレルギーに使用する漢方薬。
アレルギーを抑える漢方薬は水毒を除き「(乾燥させる)」漢方薬が中心です。

一方、ドライアイやシェーグレン症候群に使用する漢方薬は、連珠飲を中心にした漢方薬が常識です。
連珠飲は「(潤わす)」漢方薬で、アレルギーに使用する「燥」の漢方薬とは正反対の働きです。

時々味わう漢方薬の正常化作用の不思議さ。
不思議ですね。

2014年6月6日金曜日

発達障害、他動性障害、自閉症 等の反応

発達障害、他動性障害、自閉症等を、糸練功では従来、精神神経症の一つとして「五志の憂」で診ていました。

「五志の憂」とは、東洋医学で言う精神神経症のことです。
五志の憂は、癲癇以外の精神神経症を全てひっくるめた概念です。

最近、太陽堂漢薬局の数人の患者さんで、五志の憂以外に後頭部に反応が出る患者さんと側頭部に反応が出る患者さんが分かっています。

従来は袁頭霜で改善する子供さんが多かったです。効果も早くシャープでした。
袁頭霜は猿の頭の黒焼きです。
太陽堂漢薬局でも、以前はよく使用していました。

数年前も日本で出回っている袁頭霜を買い占めたことがありましたが、
最近は動物愛護関係で、入手が困難になっています。
そのために他の代用薬方や食養を考えないといけないです。

袁頭霜は黒焼きのために、残った頭部に集まるミネラルが効果があるのではと、当初は思っていましたが、どうも黒焼きになった頭部に集まるアミノ酸ではないかと考えるようになりました。

糸練功でスクリーニングすると、袁頭霜と同様の反応をする食物が幾つか分かりました。
鰹節(生のカツオはやや力が弱い)、アナゴ、ヤツメウナギ等です。

今後、もっと食材も含め代用になるものを探していかないと・・・

袁頭霜が入手できれば、すぐに解決することなのですが、
多くの子供さんの苦しみと人生を解決する事が出来るのに、悔しいです。不条理です。

2014年5月30日金曜日

孫が溶連菌に感染してしまった!!

長女の子が喉が痛い・・・
溶連菌に感染してしまいました。

溶連菌、正式には溶血性連鎖球菌。
孫の明日の運動会・・・残念。

孫を診ると、風毒診に反応がありました。
今まで風毒診には、ウイルスと真菌が反応することは判っていましたが、溶連菌にも反応していました。

今までの太陽堂漢薬局の経験では、溶連菌に黄連解毒湯が効果があることが分かっています。

今回は、その黄連解毒湯の中の薬味(黄連黄芩黄柏山梔子)のどれが効いているか調べました。

糸練功にてスクリーニングすると、黄連と山梔子に反応ありです。
他の生薬では、露蜂房と「漢方の抗生物質」と言われる金銀花にも反応がありました。

早速、孫に病院の抗生物質と一緒に、黄連・山梔子・露蜂房・金銀花を飲ませました。
運動会には間に合わないけど・・・。
かわいそう です。